スタッフブログプロレスラーの膝の怪我について~数週間~1年かかる復帰の違い。

今回は真面目に治療関連のblogを書いてみました。

私達プロレスラーが起こしやすい膝の怪我。欠場してもすぐに復帰する人もいれば半年から一年以上かかって復帰する人もいます。その違いを簡単にですが説明したいと思います。まず、膝はどのような構造をしているのかみていきましょう。

膝関節の構造について

膝関節とは、太い大腿骨(だいたいこつ)とスネといわれる脛骨(けいこつ)からなる関節で、大腿骨が脛骨に乗っており、その間にある軟骨や半月板がクッションの役割をし、また上下骨の間に二本、左右に一本ずつの靭帯が動きを制限し、安定させる役割を果たしています。

上下骨の間のバッテンに交差する靭帯は膝の前後の動きを制限するもので前十字、後十字靭帯とよばれ、左右の靭帯は横の動きを制限するためにあり内側、外側靭帯といいます。また、クッションの役割をしている半月板も内側と外側に分かれており、上部は凹んでいて大腿骨の凸部分がそこにはまりこむようになっており、衝撃を和らげているのです。

このように膝は半月板や靭帯に守られているのですが、外力やふいな動作などにより、それらが傷つけられてしまうと安定が崩れズレを生じ、痛みが現れてしまうのです。

不幸の三徴候(アンハッピートライアド)

私自身、左膝内側靭帯損傷を数回、右膝膝蓋骨脱臼に伴う外側靭帯損傷を経験しています。プロレスラーの中でも内側靭帯を損傷するケースは少なくないのですが、この靭帯は比較的太いため、部分的な断裂もしくわ伸びですむ事が多いです。

治療も以前のblogでも紹介したRICE処置をしっかりした後治療をし、無理せずリハビリをして筋力を維持していけば数日から数週間で復帰することが可能です。しかし、足先が外に向いた状態で膝が内側に向き、かつ回旋等の過度のストレスがかかるような大きな外力が加わると、内側靭帯だけではなく、前十字靭帯、内側半月板3つを同時に損傷してしまうケースもあるのです。

この事を「不幸の三徴候(アンハッピートライアド)」といい、膝損傷の中で最も重症で、前十字靭帯、内側靭帯の断裂となると手術をしなくてはいけなくなってしまうのです。

怪我で重症にならないようにするために

こうなると長期間の固定が必須ですので、固定が外れてから固まってしまった膝周囲の軟部組織を緩め、徐々に関節の可動域を広げるようなリハビリを行い、傷ついてしまった筋肉や神経の再教育をしていかなければいけないのです。

レスラーの回復力は早いといっても、半年から一年以上の治療、リハビリ期間を要しますし、最悪の場合は選手生命を絶たれてしまうかもしれません。プロレスに怪我はつきものですが、重症にならないためにも日頃から体幹を鍛え、筋肉を付け、柔軟性を保つ事が重要なのではないでしょうか。

昨今では、キャリアの若い選手が重症で手術するケースをよく耳にしますが、まだキャリアが浅いため、体の基礎ができていない事が原因のひとつだと思われますので、しっかり体幹を鍛え、基礎体力をつけていけるよう努力して欲しいと思っています。

私自身もまだまだ足りない部分がたくさんあるので、もっと努力して一日でも長く現役でいれるよう頑張りたいと思います!